『カラスのお宅拝見!』(宮崎学著/新樹社/2000円+税)
 いささか意表をつくテーマの写真集で、日本全国で取材された合計100個にのぼるカラス類の巣のようすを集めたものです。営巣中に木に登り、撮影されたもので、ほとんどの巣には卵か雛がおり、よくもそうした撮影が可能であったと、木登りの腕も含めてまず感心します。また、巣を上から写した写真なので、特に内装の材料がよくわかり、自然物を多用している巣もあれば、ほとんどを人工物に頼った巣もあって、カラスの適応力の高さを改めて感じることができます。巣を広角レンズでとらえた写真には、周辺の景観も写し込まれていて、それもまた興味深い情報源となっています。(2010/2)